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ロシアによるウクライナ侵略、米中対立など地政学リスクの顕在化は、安全保障の文脈での防衛基盤の重要性を改めて浮き彫りにしました。長年にわたり、日本の防衛産業は厳しい予算制約の中にありながらも、高い技術品質を基礎にした独自の防衛装備体系を維持し、国家安全保障を支え続けてきました。 現在、世界的な防衛需要の高まりを受け、装備品、弾薬の生産能力といった量の確保が喫緊の課題となっています[1]。これは、防衛プライム企業が長年培ってきた高度な生産技術と強靭なサプライチェーン管理能力が最大限に発揮されるべき領域です。 一方で、現代のテクノロジーの進化は、戦況の変化に即座に対応する「適応力」の重要性にも光を当てています[2]。本稿では、現代の防衛装備に求められる適応力について、既存の防衛産業にスタートアップ企業が持つ俊敏性を掛け合わせることで、いかにして次なるステージへと進化できるかについて論じます。

日本のGDPの2割を占める製造業において、特に鉄鋼や化学などの連続プロセスは生産性と品質を左右する重要分野です。本記事では、連続プロセスと組立製造プロセスの違いを明確にし、設備稼働率向上、データ活用、歩留まり改善、エネルギー効率化、人材育成といった連続プロセスの生産性向上に関わる課題を解説。IoTやAI、生産技術、QC七つ道具などの具体的な改善アプローチや業界トレンドも紹介し、日本企業が競争力を維持・強化するための戦略を考察します。

2023年12月、UAEで開催されたCOP28。首脳級会議ではパリ協定の2050年カーボンニュートラルの目標に先立ち、「2030年までに世界全体の再生可能エネルギーの発電容量を3倍に引き上げ、エネルギー効率を2倍にする」誓約に110か国以上が合意した。 今や2050年カーボンニュートラルの目標は世界の常識と言える。日本は、アジアにおけるカーボンニュートラルの”先進国”になることを宣言している。

日本の企業の多くはウォーターフォール型の組織であると言われている。中長期の経営計画を作成し、それに基づいて事業計画に定められた全社の目標をトップダウン方式で部門からチームへ落とし込んでいくマネジメント手法である。この中央集権型の組織はフレデリック・テイラー氏が提唱した「科学的管理法」が起源といわれているが、これは将来の経営環境が予測可能であり、また経営計画に遵守すれば業績が向上するという前提のもとにこのシステムが成り立っていたといえる。

現在世界経済は、株主資本主義からステークホルダー資本主義への転換を迎えている。2019年、米国大手企業のCEOらが所属する団体「ビジネス・ラウンドテーブル」は企業のパーパスについてこれまで掲げてきた「株主至上主義」を見直し、顧客や従業員、サプライヤー、地域社会、株主などすべてのステークホルダーを重視する方針を表明。これにはAmazonやAppleなど米大手企業181社のCEOが署名しており、これまでの短期的な利益を重視したものから、長期的視点に立った方針へと舵を切った。

金融活動作業部会FATFをご存じだろうか。FATFとはFinancial Action Task Forceの略で、マネー・ロンダリングやテロ資金供与への対策に取り組む国際組織である。近年ITの発達により国際的な金融の垣根が低くなり、同時にマネロン・テロ資金供与といった犯罪も国際化し始めている。そこで、そういった犯罪に対抗するために設立された国際組織がFATFである。現在、G7を含む36ヵ国・地域と2地域機関が加盟している。