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2023年12月、UAEで開催されたCOP28。首脳級会議ではパリ協定の2050年カーボンニュートラルの目標に先立ち、「2030年までに世界全体の再生可能エネルギーの発電容量を3倍に引き上げ、エネルギー効率を2倍にする」誓約に110か国以上が合意した。 今や2050年カーボンニュートラルの目標は世界の常識と言える。日本は、アジアにおけるカーボンニュートラルの”先進国”になることを宣言している。
日本の企業の多くはウォーターフォール型の組織であると言われている。中長期の経営計画を作成し、それに基づいて事業計画に定められた全社の目標をトップダウン方式で部門からチームへ落とし込んでいくマネジメント手法である。この中央集権型の組織はフレデリック・テイラー氏が提唱した「科学的管理法」が起源といわれているが、これは将来の経営環境が予測可能であり、また経営計画に遵守すれば業績が向上するという前提のもとにこのシステムが成り立っていたといえる。
現在世界経済は、株主資本主義からステークホルダー資本主義への転換を迎えている。2019年、米国大手企業のCEOらが所属する団体「ビジネス・ラウンドテーブル」は企業のパーパスについてこれまで掲げてきた「株主至上主義」を見直し、顧客や従業員、サプライヤー、地域社会、株主などすべてのステークホルダーを重視する方針を表明。これにはAmazonやAppleなど米大手企業181社のCEOが署名しており、これまでの短期的な利益を重視したものから、長期的視点に立った方針へと舵を切った。