ストラテジー&タクティクス
私たちが提供できる価値
かつて世界経済で隆盛を誇った日本企業のプレゼンス低下が叫ばれるなか、企業戦略は価値を最大化し、国際的地位を取り戻す糸口です。企業ビジョンの明確化や財務機能の改善を通じ、長期的な戦略を描くことが、企業を再生の軌道へと乗せます。
現代の環境変化のうねりは、歴史的にも類を見ないほど急激なものです。そのような時代では既存事業のみに依存するのではなく、多様な変化に適合した新しい価値創出が企業の重要な生存戦略となります。
企業は限られた経営資源を成長の見込みがある事業に集中させ、企業価値と資本効率を起点とした事業管理を行う必要があります。既存事業の戦略的意義を改めて見直すことで、企業価値のさらなる創造が始まります。
優位性を確保するためには、市場における自社のポジションや競合企業の戦略の徹底的な分析が不可欠です。分析結果により、自社の強みや保有している資源、課題が浮き彫りになり、企業戦略策定の足掛かりになります。
新たなサービス・プロダクトが世に出るにつれて顧客の価値観や嗜好は変化します。企業は顧客の期待値を上回るサービス・プロダクトの提供をしなければ市場で勝ち残ることはできなく、市場への深い理解と高度なCXの模索が求められます。
デジタルケイパビリティが企業活動の中核を担う昨今、DXは企業の重要アジェンダです。部署横断的かつ全社的なDXを達成するには、現実的なロードマップを敷き、技術力と人的能力の着実な向上が必要です。
モデルケース
インサイト
地政学リスクとは、ある特定の地域が抱える政治的もしくは軍事的な緊張の高まりが、地理的な位置関係により、その特定の地域の経済もしくは世界経済全体の先行を不透明にするリスクのことである。地政学リスクの高まりは、地域紛争やテロへの懸念などにより、原油価格など商品市況高騰、為替通貨の乱高下を招き、企業の投資活動や個人の消費者心理に悪影響を与えるなど多くの側面に影響をもたらす。今回は地政学リスクの影響を直に受けるサプライチェーンについて、地政学リスクとの関係性から今後のトレンド、日本企業が取るべきアプローチを考える。
現在世界経済は、株主資本主義からステークホルダー資本主義への転換を迎えている。2019年、米国大手企業のCEOらが所属する団体「ビジネス・ラウンドテーブル」は企業のパーパスについてこれまで掲げてきた「株主至上主義」を見直し、顧客や従業員、サプライヤー、地域社会、株主などすべてのステークホルダーを重視する方針を表明。これにはAmazonやAppleなど米大手企業181社のCEOが署名しており、これまでの短期的な利益を重視したものから、長期的視点に立った方針へと舵を切った。
日本の企業の多くはウォーターフォール型の組織であると言われている。中長期の経営計画を作成し、それに基づいて事業計画に定められた全社の目標をトップダウン方式で部門からチームへ落とし込んでいくマネジメント手法である。この中央集権型の組織はフレデリック・テイラー氏が提唱した「科学的管理法」が起源といわれているが、これは将来の経営環境が予測可能であり、また経営計画に遵守すれば業績が向上するという前提のもとにこのシステムが成り立っていたといえる。